さとうあきこの活動・育児日記

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情けない 国保税増税

臨時議会で、国保税の増税が可決されました。
いろいろな意味で、情けない議会でした。

委員会質疑は、委員長権限で傍聴席が増やされ、傍聴者8名が見守る中で行われました。
質疑のはじめには、説明の資料はA4用紙1枚で、財政状況も、国保世帯の状況も、山形市の医療状況も、国保運営協議会での審議内容も、何もない状態で審議が始まりました。
私が国保世帯の職業構成や、赤字の内容を質問し始めると、他の委員から「資料がなければ審議できない」との声が上がり、急きょ運営審議会での資料が印刷され、配布されました。

前提となる赤字の試算の根拠がない

市の説明では、平成22年の赤字予測は約10億8千万円、23年が13億5千万円、24年が16億2千万円、としていますが、決算が出ている平成20年の単年度収支は1億1千万円の赤字、平成19年度は2億3千万円の赤字、急に10億に膨らむ根拠がありません。
当局は、「これまでの医療費の伸びはばらつきがあり、国の医療費の伸びをあてはめた」といいますが、不況による受診抑制や、介護施設の増設による医療費抑制など、市内の医療状況は全く反映していません。私はそのことを指摘し、「増税に反対だが、せめて結論を出すのは、赤字の試算を市内の状況を反映したものにするか、平成21年度の決算が出て、医療費の伸びが計算通りかどうか見てからにすべき」と主張しました。

すでに収納率が87%に減少、国保世帯の所得は毎年低下

所得に対する負担割合は、協会けんぽなどの約2倍の負担となる重い国保税は、払えない世帯が増加しています。また、保険証のかかった医療保険を滞納するのは、よほどの理由があります。滞納者の理由を質問しても、把握されていませんでした。国保世帯の所得は100万円以下が53%。増税していい状況ではありません。私はそれらを指摘したうえで、「所得100万円の方にとって、1万円がどれだけ重いか。それが、この案では3万3千円もの値上げになる」と述べました。

職業構成も把握されていない

農業、自営業、無職者、被用者の割合を質しても、把握されていません。
農業・自営業は今大変な状況にあり、また社会保険に入れない被用者とは、不安定就労者が多く、この構成だけでも、国保加入世帯の大変な状況が分かります。

一般会計からの繰り入れの上限に根拠はない

今回、一般会計からの繰り入れを4億5千万円としており、他の委員や市長答弁では「国保に加入していない世帯もあるから」と説明されました。しかし、「使わない人がいるから」と道路をつくる予算を減らすでしょうか。「子どもがいない世帯もいるから」と保育予算を減らすでしょうか。必要なところに予算を使うのはあたりまえです。
本会議で共産党のか一郎議員が、財政力指数などの指標をもとにした質問に市長は「血と涙で健全化を図った結果であり、それとこれとは別問題」と答弁しました。今、市民が血と涙を流して国保税を支払っているのであって、健全化した財政で、市民のくらしを守らなければ、何のための健全化でしょうか。
委員会質疑でも、賛成した委員は「際限なく一般会計はつぎ込めない」と言いました。しかし、際限ないどころか、赤字の根拠さえ示されていません。本会議でのヤジも含めて、全く情けない議会でした。採決では、賛成の議論もろくにないままに、共産党以外全員賛成で議決されました。

市民の納得はとうてい得られない

前回の値上げのときには、少なくとも、運営協議からの答申の前後で、各地区公民館で説明会をしています。今回は、増税について一度も市民に知らせていません。市長は議会の最後のあいさつで、「市民への周知を行います」と異例のあいさつをしましたが、この内容でとうてい納得できるものではありません。
by s-akiko01 | 2010-04-27 22:27 | 議会・委員会

2002年4月と2005年4月と2013年5月生まれの3人(ゆうかポン・こうくん・そうっち)の子育て中。山形市青田在住の日本共産党市議、佐藤あき子の日記。


by s-akiko01